筋トレを始めると、ベンチプレス・スクワット・デッドリフトの「BIG3」は必ずやった方がいいと言われることがあります。
でも、筋肥大やボディメイクが目的の人からすると、BIG3を本当にやるべきなのか迷いますよね。
- 筋トレ初心者でもBIG3はやるべきなのかわからない
- ベンチプレス・スクワット・デッドリフトをやらないと筋肉がつかないのか不安
- BIG3はフォームが難しそうで怪我が怖い
- 筋肥大目的ならBIG3以外の種目でもいいのか知りたい
そこでこの記事では、筋トレにBIG3は本当に必要なのか、筋肥大目的なら無理にこだわらなくていい理由を、筋トレ初心者にもわかりやすく解説します。
結論から言うと、筋肥大やボディメイクが目的なら、BIG3は必須ではありません。
もちろん、BIG3が悪い種目というわけではありません。パワーを伸ばしたい人や競技力を高めたい人には有効です。ただ、筋肉を大きくしたい・見た目を変えたいという目的なら、BIG3だけにこだわる必要はありません。
この記事を書いた人

田中圭介
NSCA-CPT(米国発のNSCA認定パーソナルトレーナー資格)保有 / 元スポーツクラブトレーナー
学生時代に神奈川県内の大手スポーツクラブで約4年間、ジムトレーナー/パーソナルトレーナーとして活動。
現在は、筋トレ初心者・ジム初心者向けに、無理なく続けられる体づくりを発信しています。
筋トレにBIG3は必要ないって本当?【筋肥大ならいらない】

筋トレにBIG3は必要ないのか?という疑問に対して、まず結論をまとめると以下の通りです。
- 筋肥大目的なら、BIG3は必須ではない
- 初心者が無理にBIG3へこだわる必要もない
- ただし、BIG3をやっても問題はない
- パワー向上や競技力アップが目的ならBIG3はかなり有効
つまり、「BIG3は完全に不要」というより、筋肥大・ボディメイク目的なら、BIG3だけを特別扱いしなくていいというのが正確です。
筋肉を大きくするうえで大事なのは、BIG3をやること自体ではありません。大事なのは、狙った筋肉に適切な負荷をかけること、フォームを安定させること、継続できるメニューを組むことです。
そのため、ベンチプレスにこだわるよりダンベルプレスやチェストプレスの方が胸に効きやすい人もいます。デッドリフトよりラットプルダウンやシーテッドローの方が背中を意識しやすい人もいます。
特に筋トレ初心者の場合は、「BIG3をやらなきゃ筋肉がつかない」と考える必要はありません。
筋トレのBIG3とは?
筋トレにおけるBIG3とは、以下の3種目です。
| 種目 | 主に鍛える部位 | 特徴 |
|---|---|---|
| ベンチプレス | 大胸筋・上腕三頭筋・三角筋前部 | 胸を鍛える代表的なバーベル種目 |
| デッドリフト | 背中・お尻・ハムストリングス | 全身の力を使って床からバーベルを引き上げる種目 |
| スクワット | 太もも・お尻・体幹 | 下半身を鍛える代表的な種目 |
どれも有名な種目ですが、有名だからといって全員に必須というわけではありません。
筋トレ初心者やボディメイク目的の人は、BIG3を「やらなきゃいけない種目」ではなく、目的に合えば取り入れる選択肢の1つとして考えればOKです。
筋トレにBIG3が必要ないとされる理由

筋トレにBIG3が必要ないとされる主な理由は、以下の3つです。
- フォームが難しく、怪我のリスクがある
- 筋肥大目的なら他の種目でも十分狙える
- BIG3の重量に追われて他の種目をやらなくなる
それぞれ解説します。
理由① フォームが難しく、怪我のリスクがある
BIG3は、どれもフォームが簡単な種目ではありません。
ベンチプレスは肩や肘に負担がかかりやすく、デッドリフトは腰を痛めやすい種目です。スクワットもフォームが崩れると膝や腰に負担がかかります。
僕自身も、昔ベンチプレスのフォームが下手な状態で重量を追ってしまい、肘を痛めた経験があります。
もちろん、正しいフォームで適切な重量を扱えばBIG3は良い種目です。ただ、初心者が独学でいきなり高重量を扱うには難易度が高いのも事実です。
初心者は「BIG3をやるかどうか」よりも、「安全に続けられるフォームで狙った筋肉に効かせられるか」を優先した方がいいです。
ジムに通い始めたばかりの人なら、最初はマシン種目やダンベル種目で動きを覚えてから、必要に応じてBIG3に挑戦する流れでも遅くありません。
筋トレ初心者向けの基本メニューを知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
理由② 筋肥大目的なら他の種目でも十分狙える
筋肥大が目的なら、BIG3は必須ではありません。
なぜなら、筋肉を大きくするうえで大切なのは「BIG3をやること」ではなく、狙った筋肉に十分な刺激を入れることだからです。
たとえば胸を大きくしたい場合、ベンチプレスだけが正解ではありません。
- ダンベルプレス
- インクラインダンベルプレス
- チェストプレス
- ダンベルフライ
- ケーブルクロスオーバー
こういった種目の方が、大胸筋のストレッチや収縮を感じやすい人もいます。
背中も同じです。デッドリフトは全身を使う優秀な種目ですが、広背筋や僧帽筋を狙って鍛えたいなら、ラットプルダウン、シーテッドロー、ワンハンドローなどの方が効かせやすい場合があります。
近年の研究でも、フリーウエイトとマシントレーニングを比較した場合、筋肥大に明確な差が出ない可能性が示されています。つまり、筋肉を大きくする目的なら「バーベル種目かマシン種目か」だけで優劣を決める必要はありません。
筋肥大を狙うなら、BIG3にこだわるより「自分が狙った筋肉に効かせやすい種目」を選ぶ方が現実的です。
理由③ BIG3の重量に追われて他の種目をやらなくなる
BIG3のデメリットとしてありがちなのが、重量を追いすぎて他の種目をやらなくなることです。
筋トレを始めると、どうしても「ベンチプレス何kg上がる?」「スクワット何kg?」という数字が気になります。
もちろん、重量が伸びるのは楽しいです。モチベーションにもなります。
ただ、筋肥大やボディメイクが目的なのに、BIG3の重量だけを追いかけると、本来鍛えたい部位への刺激が弱くなることがあります。
たとえば、ベンチプレスの重量ばかり追っているのに、胸ではなく肩や腕ばかり疲れる。デッドリフトの重量は伸びているのに、背中の広がりはあまり変わらない。こういうケースは珍しくありません。
筋肉をつけたいなら、重量を伸ばすことも大切ですが、それ以上に狙った部位に効いているかを確認することが大切です。
筋トレのBIG3をやるメリットもある

ここまでBIG3が必要ない理由を解説してきましたが、BIG3にもメリットはあります。
- 重量が数値化されるので成長を感じやすい
- 有名種目なので解説動画や情報が多い
- 全身を使う感覚を身につけやすい
- パワー向上や競技力アップに活かしやすい
特に「今日はベンチプレス60kg上がった」「スクワット100kgできた」というように、自分の成長が数字で見えるのはBIG3の大きな魅力です。
また、BIG3は王道種目なので、YouTubeやSNSにも解説が多く、フォームの勉強をしやすいというメリットもあります。
なので、BIG3をやりたい人はやってOKです。
ただし、筋肥大目的なら「BIG3をやらなきゃいけない」と考える必要はありません。
BIG3の中でもスクワットはやるべき?

個人的には、BIG3の中でもスクワットは比較的取り入れる価値が高い種目だと思っています。
理由は、下半身全体に刺激を入れやすく、低重量でもかなり効かせやすいからです。
僕自身も、ベンチプレスやデッドリフトはメニューから外すことがありますが、スクワット系の種目は取り入れることがあります。
ただし、「スクワットは絶対やるべき」とまでは言いません。
膝や腰に不安がある人、フォームが安定しない人、脚を太くしすぎたくない人は、無理にバーベルスクワットをやらなくてもOKです。
その場合は、以下のような種目で代用できます。
- レッグプレス
- ブルガリアンスクワット
- スミスマシンスクワット
- レッグエクステンション
- レッグカール
脚トレは目的によって組み方が変わります。細く引き締めたいのか、太く強くしたいのかでもメニューは変わるので、目的に合わせて選びましょう。
筋トレはBIG3だけやればいいのか?

初心者の方から「筋トレはBIG3だけやればいいですか?」と聞かれることがあります。
これに対する答えは、筋肥大やボディメイク目的なら、BIG3だけはおすすめしません。
BIG3だけでも全身に刺激は入りますが、細かい部位を狙いにくいです。
特に見た目を変えたいなら、以下のような部位も意識した方がいいです。
- 肩
- 腕
- 背中の広がり
- 胸の上部
- お尻
- 腹筋
BIG3だけに偏ると、こういった部位への刺激が不足することがあります。
なので、筋肥大目的ならBIG3だけで完結させるより、マシン・ダンベル・ケーブル種目も組み合わせた方が身体は作りやすいです。
筋肉をつける食事方法もあわせて知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
BIG3の代わりに取り入れたい筋トレ種目

BIG3をやらない場合は、以下のような種目を組み合わせるのがおすすめです。
| BIG3 | 代替種目 | 向いている人 |
|---|---|---|
| ベンチプレス | ダンベルプレス、チェストプレス、ダンベルフライ | 胸に効かせる感覚をつかみたい人 |
| デッドリフト | ラットプルダウン、シーテッドロー、ワンハンドロー | 腰の負担を抑えながら背中を鍛えたい人 |
| スクワット | レッグプレス、ブルガリアンスクワット、スミスマシンスクワット | 下半身を安全に鍛えたい人 |
初心者の場合、最初からバーベル種目だけでメニューを組む必要はありません。
むしろ、マシンやダンベルを使って「どの筋肉に効いているか」を覚えた方が、その後の成長につながりやすいです。
パワーリフターや競技力向上にはBIG3は必要

筋肥大やボディメイク目的ならBIG3は必須ではありません。
しかし、パワーリフティング、ラグビー、アメフト、格闘技など、強いパワーや全身の出力が求められる競技ではBIG3がかなり有効です。
理由は、BIG3が高重量を扱いやすく、全身を連動させて力を出すトレーニングになるからです。
たとえば、パワーリフターならベンチプレス・スクワット・デッドリフトそのものが競技種目です。この場合、BIG3をやらないという選択肢は基本的にありません。
また、ラグビーやアメフトのような競技でも、下半身の出力、体幹の強さ、押す力、引く力を高めるうえでBIG3は役立ちます。
BIG3が向いている人
- パワーリフティングをやりたい人
- 競技力向上が目的の人
- 高重量を扱う筋トレが好きな人
- フォームを学ぶ環境がある人
- BIG3の重量更新がモチベーションになる人
逆に、細マッチョになりたい、胸や背中を見た目よく鍛えたい、怪我なくジムを続けたいという目的なら、BIG3にこだわらなくても大丈夫です。
初心者がBIG3をやる場合の注意点

それでもBIG3をやりたい人は、以下を意識してください。
いきなり高重量を扱わない
初心者が一番やりがちなのが、周りの目を気にしていきなり重い重量を扱うことです。
フォームが安定していない状態で重量を上げると、狙った筋肉に効かないだけでなく、肩・腰・膝を痛める原因になります。
最初は軽い重量でフォームを確認しながら行いましょう。
痛みがあるなら無理に続けない
筋トレ中のきつさと、関節の痛みは別です。
筋肉が疲れている感覚なら問題ないこともありますが、肩・肘・腰・膝に鋭い痛みが出る場合は無理に続けないでください。
痛みが続く場合は、トレーナーや医療機関に相談しましょう。
フォームに不安があるなら人に見てもらう
BIG3は独学でもできますが、初心者ほどフォームの自己判断が難しいです。
動画を撮って確認する、ジムのスタッフに聞く、パーソナルジムで一度フォームを見てもらうなど、誰かに確認してもらうと怪我のリスクを下げやすくなります。
筋トレ初心者でフォームに不安がある方は、以下の記事も参考にしてください。
よくある質問
筋トレ初心者はBIG3をやらなくても筋肉はつきますか?
つきます。筋肉をつけるうえで大切なのは、BIG3をやること自体ではなく、狙った筋肉に適切な負荷をかけて継続することです。初心者なら、マシンやダンベル種目から始めても十分です。
ベンチプレスをやらないと胸は大きくなりませんか?
ベンチプレスをやらなくても胸は鍛えられます。ダンベルプレス、チェストプレス、ダンベルフライ、ケーブルクロスオーバーなどでも大胸筋に刺激を入れられます。
デッドリフトはやらない方がいいですか?
デッドリフト自体が悪い種目というわけではありません。ただし、フォームが難しく腰への負担も大きいので、初心者が独学で高重量を扱うのは注意が必要です。背中を鍛える目的なら、ラットプルダウンやシーテッドローでも代用できます。
スクワットだけはやった方がいいですか?
スクワットは下半身全体を鍛えやすい良い種目ですが、絶対にやるべきというわけではありません。膝や腰に不安がある場合は、レッグプレスやスミスマシンスクワットなどから始めてもOKです。
BIG3だけで細マッチョになれますか?
不可能ではありませんが、見た目を整えたいならBIG3だけより、肩・腕・背中・胸上部・腹筋などもバランスよく鍛えた方が細マッチョに近づきやすいです。
まとめ:筋肥大目的ならBIG3は必要ないが、目的次第では有効
筋トレにBIG3は必要ないのか?という疑問に対しては、筋肥大やボディメイク目的ならBIG3は必須ではないというのが僕の考えです。
BIG3は有名で優秀な種目ですが、全員が必ずやるべき種目ではありません。
この記事のまとめ
- 筋肥大目的ならBIG3は必須ではない
- 初心者が無理にBIG3へこだわる必要もない
- BIG3はフォームが難しく、怪我のリスクもある
- 胸・背中・脚はマシンやダンベル種目でも十分鍛えられる
- パワー向上や競技力アップが目的ならBIG3は有効
- 大事なのは、目的に合った種目を安全に継続すること
「BIG3をやらないと筋肉がつかない」と考える必要はありません。
大事なのは、自分の目的に合った種目を選び、狙った筋肉にしっかり刺激を入れ、無理なく続けることです。
特に初心者は、いきなりBIG3の重量を追うより、まずは安全に続けられるメニューを組む方が結果的に身体は変わりやすいです。
筋トレ初心者向けのメニューを知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
参考情報
・Haugen ME, et al. Effect of free-weight vs. machine-based strength training on maximal strength, hypertrophy and jump performance – a systematic review and meta-analysis. BMC Sports Sci Med Rehabil. 2023.
・Lopez P, et al. Resistance Training Load Effects on Muscle Hypertrophy and Strength Gain: Systematic Review and Network Meta-analysis. Med Sci Sports Exerc. 2021.
※本記事はトレーニングに関する一般的な情報提供を目的としています。痛みや強い違和感がある場合、持病・既往歴がある場合は、無理をせず専門家に相談してください。