「ダイエットにはPFCバランスが大事」と聞いても、結局ご飯やお肉をどれくらい食べればいいの? と思うことってありますよね。
たんぱく質は何g、脂質は何%と言われると、計算だけで難しく感じてしまうのではないでしょうか。
- PFCは何を表す数字で、自分はどの目安を使えばいい?
- カロリーから、食べるたんぱく質・脂質・炭水化物の量をどう計算する?
- 計算した数字を、今日の食事にどう置き換える?
本日は、都内外資系企業に勤務しながら、ボディメイクのプロとしても活動している私が、PFCの意味から計算方法、実際の食品の選び方まで具体的に解説していきます!
まずは普段の一食から。数字が分かると、「おかずを足す」「調理油を見直す」など、次に変えることも見つけやすくなりますよ。
この記事を書いた人
田中圭介
NSCA-CPT(米国発のNSCA認定パーソナルトレーナー資格)保有 / スポーツクラブで約4年間トレーナーとして活動 / パーソナルトレーナーとしても活動 / SNS『Lemon8』フィットネス部門・厳選クリエイター選出
学生時代に神奈川県内の大手スポーツクラブで約4年間、ジムトレーナー / パーソナルトレーナーとして活動。
現在は、筋トレ初心者・ダイエット初心者向けに、無理なく続けられる体づくりを発信しています。
PFCバランスとは?

PFCバランスは、一日にとるエネルギーのうち、たんぱく質・脂質・炭水化物がそれぞれ占める割合のことです。まずは3文字と、1g当たりのカロリーを押さえておきましょう。
| 略称 | 栄養素 | 1gあたりのカロリー(概数) | 主な役割 |
|---|---|---|---|
| P | たんぱく質 | 4kcal | 筋肉・髪・皮膚など体づくりの材料 |
| F | 脂質 | 9kcal | 細胞膜の構成や脂溶性ビタミンの吸収に関わる栄養素 |
| C | 炭水化物 | 4kcal | 日常生活や筋トレのエネルギー源 |
同じカロリーの食事でも、ご飯中心なのか、お肉や油が多いのかで内訳は変わります。PFCを見ると、何を増やし、何を調整するとよいかが分かりやすくなります。食品の組合せや食物繊維、塩分も一緒に考えると、食事を整えやすいですね。
たんぱく質・脂質・炭水化物の役割

P:たんぱく質は体づくりの材料
筋肉・髪・皮膚・爪などをつくる材料になります。肉だけに偏るより、魚、卵、豆腐、納豆、ヨーグルトなどを組み合わせると、食事の選択肢が広がります。
F:脂質は細胞膜やビタミンの吸収に関わる
脂質も体に必要な栄養素です。一方、1g当たり9kcalなので、少量でも食事のエネルギーを増やしやすいのが特徴。ナッツやチーズ、揚げ物、マヨネーズなどは、食べる量を意識して取り入れましょう。
C:炭水化物は日常生活や筋トレのエネルギー源
ご飯、パン、麺、芋、果物などからとれます。筋トレをする日も主食を残し、一日の食事量や運動のタイミングに合わせて量を調整していきましょう。
一般成人と運動者の目安を使い分ける
まずは一般的な食事を整える目安と、継続的に運動する人のたんぱく質量を分けて見ていきます。
一般成人は年齢別の割合から
日本人の食事摂取基準(2025年版)の成人の目標量は、次の範囲です。必要なエネルギー量を確保したうえで、一日全体の配分を考えるときに使います。
| 年齢 | P:たんぱく質 | F:脂質 | C:炭水化物等※ |
|---|---|---|---|
| 18〜49歳 | 13〜20% | 20〜30% | 50〜65% |
| 50〜64歳 | 14〜20% | 20〜30% | 50〜65% |
| 65歳以上 | 15〜20% | 20〜30% | 50〜65% |
※公的基準の炭水化物欄にはアルコールを含む注記があります。以下のPFCを合計100%にする計算は、飲酒によるエネルギーを含まない例です。飲酒した日はお酒のエネルギーも別に含めて考えます。
たんぱく質の推奨量は、一般成人の男性18〜64歳で65g/日、65歳以上で60g/日、成人女性で50g/日です。特に65歳以上で食事量が少ない場合は、割合の下限だけでは推奨量に届かないことがあるため、gの量も合わせて見ます。脂肪酸や食物繊維なども含めて食事を整えるための目安です。
厚生労働省:エネルギー産生栄養素バランス(2025年版、145〜149頁)/たんぱく質の食事摂取基準
妊娠・授乳中、18歳未満、治療中や食事制限の指示がある人は、この成人向けの計算例をそのまま当てはめず、医師・管理栄養士などと食事量を決めてください。
健康な運動者は体重当たりのたんぱく質量も参考に
ISSN:Protein and exercise(2017)では、健康な運動者の多くに、1日体重1kg当たり1.4〜2.0gのたんぱく質を目安としています。体重60kgなら84〜120g、70kgなら98〜140gです。
これは食事・飲料・補助食品を合わせた総量です。まず普段の食事でどのくらいとれているかを見て、不足する分の補い方を考えましょう。腎疾患などの治療中の人にそのまま使う目安でも、増やすほどよいという上限の話でもありません。
PFCを計算する3ステップ

必要なのは、一日のエネルギー量と、そのうちP・F・Cをどの割合にするかです。例を見ながら、順番に計算してみましょう。
1.一日に食べるエネルギー量を考える
普段の食事・飲み物と、同じ条件で測った体重の経過をもとに考えます。計算機の値は推定なので、活動量や食事の様子も合わせて見てください。食事量が決めにくい場合は、管理栄養士などに相談すると整理しやすくなります。
意図しない体重減少、強いだるさ、食事への強い不安があるときは、さらに数字を下げるより医療者へ相談してください。
2.P・F・Cの配分を決める
一般的な食事を点検するなら、年齢別の範囲から、合計100%になる組合せを選びます。たとえばP20%・F25%・C55%です。
運動者としてPをgで決めた場合は、「Pのg×4÷一日のkcal×100」で割合を確認できます。2000kcalにP120gなら24%。公的基準の割合と運動者向けの量は対象や目的が違うため、二重に足すものではありません。使い分けに迷ったら、食事と運動の内容を管理栄養士などに見せて相談しましょう。
3.割合をgへ換算する
- P(g)=一日のkcal×Pの比率÷4
- F(g)=一日のkcal×Fの比率÷9
- C(g)=一日のkcal×Cの比率÷4
20%なら0.20を掛けます。P・Fを先に決める場合は、残りのエネルギーをCへ配分し、年齢別の範囲に合うかも確かめましょう。
4・9・4は概数で、実際の食品表示とは、食物繊維の扱いや端数処理で差が出ることがあります。食事を選ぶ際は商品のエネルギー表示も使ってください。
1日2,000kcalで計算してみよう
ここでは飲酒なしで、一日2000kcal、P20%・F25%・C55%とした計算例を見ます。2000kcalは全員に勧める摂取量ではなく、計算の流れをつかむための数字です。
| 栄養素 | 割合 | エネルギー | gへの換算 |
|---|---|---|---|
| P | 20% | 400kcal | 400÷4=100g |
| F | 25% | 500kcal | 500÷9=約55.6g |
| C | 55% | 1100kcal | 1100÷4=275g |
| 合計 | 100% | 2000kcal | P100g・F約55.6g・C275g |
この例なら、一日P100g・F約55.6g・C275gです。同じP100gでも、体重50kgなら2.0g/kg、80kgなら1.25g/kgになるので、運動者の目安を使うときは体重当たりの量も見てください。
食品で毎日小数点までぴったりに合わせるより、普段の食事で何が多く、何が少ないかを見つけるために使うと続けやすいですよ。
目的に合わせて食事を見直すポイント
ダイエット・維持・筋肉づくりでは、食事で見直したい点が変わります。目的だけで割合を一つに固定するより、今の食事との差を見てみましょう。
| 目的 | 最初に確認すること | 食事を組むポイント |
|---|---|---|
| 体脂肪を減らす | 現在の摂取量と体重の経過。飲料・調理油・間食も含める | 主食・主菜・副菜をそろえ、追加の間食や飲み物から見直す |
| 体重を維持する | 食事・活動量が変わっていないか。主食・主菜・副菜がそろうか | 同じ条件で測った体重の経過を見ながら、続けられる量に整える |
| 筋肉を増やす | 継続的な筋トレとエネルギーの確保、食事全体のP量 | 主菜と主食の両方を確保し、不足するPを食事全体で補う |
筋肉づくりなら筋トレと食事量、減量なら一日の摂取量と体重の経過も大切です。PFCは、その中で食事の配分を整えるために使います。
活動に合わせた食事の組み方

仕事や運動の予定に合わせて、食べる時間と内容を考えておくと、夜にまとめて調整するより取り組みやすくなります。
- 座り仕事の日:作業中の菓子や甘い飲み物が増えていたら、その量や頻度から見直す。
- 筋トレの日:食事を抜いたまま運動する予定になっていないかを見て、前後に食べられる時間を確保する。
- 帰宅が遅い日:朝昼にも食事をとり、夕食は用意しやすい主食・主菜・副菜を組み合わせる。
食欲や体調が悪い日は、数字を埋めるために無理をせず、不調が続くなら医療者へ相談してください。翌日の絶食などで帳尻を合わせるのではなく、普段の食事へ戻していきましょう。
食品表示から一食分のPFCを計算する

朝はご飯・卵・納豆・野菜入りの汁物、昼はご飯・魚または鶏肉・副菜など、まずは食べたい組合せを作りましょう。そこから商品表示や食材の量を使うと、一食分のPFCが分かります。
100g当たりの表示を、食べる150gへ換算する
食品Aという計算用の例で見てみます。150g食べるなら、100g当たりの表示を1.5倍します。
| 食品A | 表示:100g当たり | 食べた量:150g |
|---|---|---|
| たんぱく質 | 8g | 8×1.5=12g |
| 脂質 | 4g | 4×1.5=6g |
| 炭水化物 | 20g | 20×1.5=30g |
食品Bが「1個当たりP6g・F2g・C10g」で、1個食べるなら、その数字を足します。A150gとB1個の合計はP18g・F8g・C40g。4・9・4で概算すると304kcalです。実際の商品では、エネルギー表示も合わせて使ってください。
食品を組み合わせるときのポイント
- 「100g・1個・1食・1袋」のどの表示かを見て、食べる量へ換算する。粉末の1食分なら、スプーン何杯かも確認する。
- 生の肉と加熱後、炊く前の米とご飯など、食べる状態に合うデータを使う。
- 表示に含まれていない油やドレッシング、牛乳なども使う量を足す。料理一式のデータに含まれる材料は重ねて足さない。
炭水化物には食物繊維も含まれるため、PFCのCには「糖質」だけでなく「炭水化物」の表示を使います。表示の項目や単位は、消費者庁:栄養成分表示の活用でも確認できます。
数字を見て、次の一食を決める
主菜が少なくPが足りなければ、魚や卵、豆腐などのおかずを検討します。脂質が多ければ、調理油やドレッシングの量を見直す方法があります。食品を替えるとP以外も変わるので、一食全体で見てみてください。
外食など量が分からないものは推定になりますが、まずは普段よく食べる一食から始めると、選び方の傾向をつかみやすくなりますよ。
数字に偏らない食事の選び方
計算に慣れてきたら、数字だけでなく、どんな食品からとるかにも目を向けてみましょう。
- たんぱく質:プロテインだけで増やすより、肉・魚・卵・大豆製品など、主菜を替えて楽しむ。
- 脂質:極端にゼロへ近づけず、魚や卵、ナッツ、油などの量を調整する。
- 炭水化物:ご飯やパンなどの主食を、活動量や食べやすい時間に合わせて組み込む。
「朝はこれ、昼はこれ」と食べたいものまで決まると、買い物も楽になります。数字を合わせることが負担になってきたら、使う食品や記録方法をシンプルにしてみてください。
計算を続けやすくする方法
毎回違う献立を一から計算するのは、慣れるまで少し手間ですよね。よく食べる朝食をアプリに登録したり、栄養表示のある商品を使ったりすると、続けやすくなります。
| 方法 | 向いている人 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 食事管理アプリ | 毎日の食事を記録できる人 | 入力のしやすさ、食品データの多さ、続けやすさ |
| プロテイン | たんぱく質が足りない人 | 食事で不足しているか、P・F・C全体、原材料・アレルゲン、価格 |
| 高たんぱく宅配食 | 毎食PFCを考えるのが面倒な人 | エネルギー、P・F・炭水化物の表示単位、主食の有無、原材料・アレルゲン、送料・定期条件 |
PFC計算を毎日やるのが面倒な人へ
忙しい日の昼食や夕食には、栄養表示のある宅配食を使う方法もあります。主食付きかおかずだけかを見て、一食のP・F・炭水化物を比べてみましょう。原材料・アレルゲン、送料と定期条件、冷凍庫に入る量も、使いやすさを決めるポイントです。
料金・送料・キャンペーン内容・定期条件は変動するため、最新情報はリンク先で確認してください。
PFCバランスでよくある質問
ダイエット中は何%にすればいい?
まずは年齢別の範囲と、一日の食事量から考えます。本文のP20%・F25%・C55%は計算例なので、そのまま固定するより、普段の食事と比べて変えやすいところを探してみてください。
筋トレをするなら、たんぱく質は何g?
健康な運動者の目安は1.4〜2.0g/kg/日で、食事と補助食品を合わせた量です。まず肉・魚・卵・豆類などをどのくらい食べているかを見て、足りない分の補い方を考えましょう。治療上の食事指示がある場合は、その方針を優先してください。
表示から計算したカロリーが一致しません
表示が100g当たりか、一食分かを確かめてみましょう。単位が合っていても、食物繊維の扱いや端数処理で差は出ます。実際の商品を選ぶときは、表示されたエネルギーも使えば大丈夫です。
毎日ぴったりに合わせる必要はある?
まずは主菜が少ない日が続いていないか、油や間食が増えていないかなど、食事の傾向をつかむところから。毎日のわずかな差より、続けやすい組合せを作ることを大切にしてください。計算で食事への不安が強まる場合は、管理栄養士などに管理方法を相談しましょう。
PFCを整えても体重が変わらないときは?
割合に加えて、一日の食事量と活動量も見てみましょう。油・飲み物・実際の分量を振り返り、同じ条件で測った体重の経過と並べると、調整するところが見つけやすくなります。
まずは今日の一食から始めよう
PFCを計算したら、実際に食べる食品と量へ置き換えてみましょう。
- 自分の食事量と、一般成人・運動者のどの目安を使うかを考える。
- エネルギーの割合を、P・F・Cそれぞれのgへ換算する。
- 食品表示を食べる量へ直し、一食分を合計する。
- 数字を見て、次の食事で使う食品や量を一つ調整する。
まずは、いつもの朝食や昼食の表示を見てみてください。よく食べる一食が分かるだけでも、明日の買い物で選びやすくなりますよ。
