「筋肉を大きくするなら、やっぱり重い方がいい?」「家にある軽いダンベルでも、回数を増やせばいいのかな?」
ジムで重りを選ぶときに、こんなふうに迷うことってありますよね。重くするとフォームが崩れるし、軽くするとちゃんと鍛えられているのか不安になる。そんな人は、まず目的と回数の範囲を決めると選びやすくなります。
筋肥大が目的なら、高重量だけにこだわる必要はありません。一方、1回で挙げられる重さを伸ばしたいなら、重い負荷の練習も大切です。
都内外資系企業に勤務しながら、ボディメイクのプロとしても活動している私が、目的に合う重さの選び方と、次のトレーニングで使える更新の手順を具体例で解説します。手持ちの重さが合わないときや、高重量・低重量を交互にしたいときの進め方も紹介していきます!
この記事を書いた人
田中圭介
NSCA-CPT(米国発のNSCA認定パーソナルトレーナー資格)保有 / スポーツクラブで約4年間トレーナーとして活動 / パーソナルトレーナーとしても活動 / SNS『Lemon8』フィットネス部門・厳選クリエイター選出
学生時代に神奈川県内の大手スポーツクラブで約4年間、ジムトレーナー / パーソナルトレーナーとして活動。
現在は、筋トレ初心者・ダイエット初心者向けに、無理なく続けられる体づくりを発信しています。
高重量と低重量、まずは目的で選ぼう

同じ10kgでも、スクワットと腕のカールでは感じる重さが違いますよね。高重量・低重量は、kgの数字だけでなく、自分がその種目で扱える重さに対してどうかで考えます。
最初は、次の3つから自分に近いものを選んでみてください。
| 今の目的・環境 | 重さと回数の考え方 |
|---|---|
| 筋肉を大きくしたい | まずは8〜12回を、フォームを保って繰り返せる重さから。慣れてきたら回数や重さを伸ばす。 |
| 1回で挙げられる最大重量を伸ばしたい | 動きを覚えた種目で、重い負荷の練習を取り入れる。毎回、最大重量に挑戦するわけではない。 |
| 家に軽いダンベルしかない | 12〜20回など、少し回数を多くして取り組む。余裕が大きい場合は、器具や種目も見直す。 |
回数に幅を持たせると、「重すぎる」「もう少し増やせそう」が判断しやすくなります。
研究では、1回だけ挙げられる最大重量を「1RM」として、その何%かで重さを分けることがあります。初心者は最大重量を測る代わりに、次のように普段のトレーニングの中で重さを調整できます。
初めての重さ選び|チェストプレスの例

ここでは、チェストプレスを8〜12回、2セット行う場合で考えてみます。最初に座面の高さやハンドルの位置、動かす範囲を確認し、軽い重さで動きを確かめておきましょう。
目安にしたいのは、最後まで姿勢を保ち、「あと2〜3回くらいできそう」と感じる重さです。最初は、動きが乱れ始める前にセットを終える感覚を覚えていきましょう。
たとえば、20kgで1セット目が10回、休んで2セット目が9回できたとします。どちらも姿勢を保てていれば、まずはその重さで続けます。
| トレーニングの様子 | 次の選び方 |
|---|---|
| 20kgで10回、9回。最後までフォームを保てた | 次回も20kgで続け、8〜12回の範囲で少しずつ回数を伸ばす。 |
| 20kgで12回、12回が、2回のトレーニングで安定した | 次回、2.5kg刻みなら22.5kgを試す。 |
| 22.5kgで9回、8回。動きは安定している | 22.5kgを続け、その重さで回数を伸ばしていく。 |
| 22.5kgにすると8回に届く前に姿勢が崩れる | そのセットを終える。休んで残りを20kgに戻すか、その日は終える。 |
このように、まず回数を伸ばし、上限が安定してきたら少し重くする。重くした直後は回数が減っても、決めた範囲でフォームを保てれば大丈夫です。
セット間は、まず1〜2分ほど休みます。息が整わず、次のセットの姿勢を保ちにくいなら、もう少し長く休みましょう。同じマシン、同じ座面、同じ動かし方で比べると、変化が分かりやすくなります。
マシンの次の段階が25kgなど、刻みが大きいこともあります。その場合は無理に増やさず、今の重さで動きを安定させてから考えれば大丈夫です。
重さとフォーム、どちらを優先する?

私なら、最初から最後までコントロールできる範囲で、重さを伸ばすことをおすすめします。重さを増やせても、動きが大きく変わると、同じ条件でできたとは言いにくいんですよね。
たとえばチェストプレスなら、次のような変化が目印になります。
- 押すたびに、お尻や背中がシートから大きく浮く。
- 前よりも動かす範囲が小さくなり、少ししか戻せない。
- 戻す動きを止められず、重りが勢いよく落ちる。
腕のカールなら、腕を動かすより上体を大きく反らして持ち上げていないかを見ます。こうした変化が出たら、そのセットを終え、重さを下げるか回数を調整しましょう。
同じ重さでも、前より丁寧に動かせるようになったなら、それも大切な進歩です。毎回kgの数字を増やさなくても、焦る必要はありません。
バーベルのベンチプレスやスクワットでは、セーフティーや補助の準備も先に確認します。一人で安全に戻せない状態で、挙がらなくなるまで挑戦するのは避けてください。
関節の痛み、鋭い痛み、しびれ、めまいなどが出た場合は中止します。軽い重さへ替えて続けるのではなく、症状が続く場合は医療者へ相談しましょう。運動時の体調確認も参考になります。
器具の重さが合わないときは、どう調整する?

「今の重さは軽くなったけど、次のダンベルは急に重い」ということもありますよね。そんなときは、数字を増やすことを急がず、器具に合わせて考えてみましょう。
重さの刻みが大きいとき
たとえば4kgの次が6kgなら、一度に50%増えることになります。小さな増量ではないので、今の重さで回数や動きを安定させるか、細かく調整できるダンベルやケーブルを選ぶ方法があります。
違う器具へ替えたときは、kg表示をそのまま比較せず、動きを確認しながら重さを選び直しましょう。マシンに指定外の重りを付けるなど、器具を改造して調整するのは避けてください。
いちばん軽い重さでも動かしにくいとき
反動で無理に持ち上げるより、別のマシンや動作をスタッフに相談してみましょう。座面やハンドルの位置を調整すると使いやすくなることもありますが、合わない器具に合わせるために、痛みを我慢する必要はありません。
家に軽いダンベルしかないとき
まずは12〜20回など、少し多めの回数で、最後まで動きを保てるかを見てみましょう。軽い重さでも、十分な負荷になっていれば筋肥大を狙えます。
20回でもかなり余裕があるときは、少し重いダンベルやジムのマシンを使うと、負荷を調整しやすくなります。今の重さで丁寧に動かせることを確かめたら、次に使う器具を選んでみましょう。
高重量・低重量を交互にする週の組み方

重めの日と軽めの日を分ける方法もあります。毎回同じ回数だと取り組みにくい人には選択肢になりますが、筋肥大のために必ず交互にしなければいけないわけではありません。
たとえば、今も同じ種目を週2回、合計4セット行っているなら、次のように配分できます。
| 日 | 同じ種目の配分例 |
|---|---|
| 月曜 | 重めの負荷で8〜12回 × 2セット |
| 木曜 | 月曜より軽い負荷で12〜20回 × 2セット |
2+2で、週4セットです。今のメニューに4セット追加するのではなく、もともとの4セットを入れ替えると考えてください。ここでの重め・軽めは、同じ人が同じ種目を行うときの比較です。
前回の疲れが強く残っているときは、休養を入れてから再開しましょう。
今の重さで回数が伸びているなら、交互にすることを急がなくて大丈夫です。まずは次回も続けられる、分かりやすい組み方を選びましょう。
筋肥大と最大筋力で、研究の結果はどう違う?
筋肉を大きくすることと、1回で挙げられる重さを伸ばすことは、分けて考えると分かりやすくなります。
2017年の21研究をまとめたメタ分析では、低負荷と高負荷で筋肥大は同程度の変化でした。一方、1RMの向上は高負荷が有利で、等尺性筋力には明確な差がありませんでした。
2021年の健康な成人747人・28研究のメタ分析でも、筋肥大に明確な負荷間差は見られず、筋力の改善は中・高負荷が低負荷より大きいという結果でした。
この2つの比較は、セットを限界まで行う研究が対象です。ですから、「軽い重さで楽な回数だけ動かせば同じ」とは考えず、実際にどのくらい余裕があるかも見ていきましょう。
一方で、日常の練習まで毎回限界に挑戦する必要はありません。ACSMの2026年の指針では、健康な成人の筋トレで、毎回の限界到達が必須とはされていません。同指針の論文でも、十分な努力を得る目安として、あと2〜3回できる余裕を残す方法が挙げられています。
筋肥大なら続けやすい回数帯から、最大挙上重量を伸ばしたいなら重い負荷の練習も。このように、目的から重さを選ぶと迷いにくくなります。
高重量・低重量についてよくある質問

初心者は何kgから始めればいいですか?
種目や器具、今の体力によって変わります。まず使い方を確認し、軽い重さで動きを覚えましょう。今回のチェストプレスのように回数の範囲を決め、姿勢を保てる重さを選ぶと判断しやすくなります。
低重量なら、高重量より楽に続けられますか?
回数が増えると、セットが長くなり、筋肉のつらさを強く感じることもあります。軽い方が必ず楽とは限らないので、自分が動きを保ちやすく、続けやすい回数帯を選びましょう。
低重量なら、二の腕だけ細くできますか?
軽い重さで回数を増やすことと、二の腕の脂肪を狙って落とすことは別です。筋トレで腕を鍛えつつ、見た目を変えたい場合は食事や日常の活動も合わせて考えましょう。
疲れている日は、軽くすれば続けていいですか?
強い疲労や体調不良があるなら休みましょう。軽い日を用意していても、予定をこなすことを優先しなくて大丈夫です。治療中で運動の制限がある人は、その指示に合わせてください。
まとめ|次の一回は、回数の範囲を決めて始めよう
高重量か低重量かで迷ったら、まず「筋肉を大きくしたいのか」「最大挙上重量を伸ばしたいのか」「今ある器具で取り組みたいのか」を決めましょう。
筋肥大が目的なら、最初は8〜12回などの範囲を決め、フォームを保てる重さを選ぶ。上限の回数が安定してきたら少し重くし、動きが崩れたら戻す。この順番なら、次のトレーニングで試しやすいですよね。
種目そのものを迷っている人は、BIG3を使わない筋トレメニューの考え方も参考にしてみてください。重さを増やすことだけを急がず、自分の動きを見ながら少しずつ進めていきましょう!
